境界確認書を紛失したらどうする?再取得・再測量・売却前の注意点を解説

土地を売却したり、相続した土地を整理したり、分筆を検討したりするときに、「境界確認書はありますか?」と聞かれることがあります。

ところが、昔に測量したはずなのに、境界確認書や確定測量図が見つからないことがあります。

たとえば、

「親の代に測量したはずだけど書類がない」
「境界確認書をなくしてしまった」
「確定測量図だけ見つからない」
「不動産会社から境界書類を求められた」
「法務局で境界確認書は取れるの?」
「書類がない場合、もう一度測量が必要?」

このような相談は、土地の売却や相続整理でよくあります。

結論からいうと、境界確認書を紛失しても、すぐに測量を最初からやり直す必要があるとは限りません。

ただし、法務局で必ず境界確認書を取得できるわけではなく、過去に依頼した土地家屋調査士、不動産会社、売買時の資料、法務局の地積測量図などを確認したうえで、必要に応じて再測量や再立会いを検討することになります。

この記事では、境界確認書を紛失した場合の探し方、法務局で取得できる資料、再作成できる場合、再測量が必要になるケース、売却前の注意点をわかりやすく解説します。

目次

境界確認書とは?

境界確認書とは、隣接する土地の所有者同士が、土地の境界について確認した内容を記録する書類です。

名称は事案によって異なり、次のような呼び方をされることもあります。

  • 境界確認書
  • 筆界確認書
  • 境界承諾書
  • 立会証明書
  • 境界確認図
  • 確定測量図に添付された確認書

一般的には、土地家屋調査士が確定測量を行う際に、隣地所有者との立会い結果をもとに作成します。

境界確認書には、対象土地、隣接地、境界点、確認日、当事者の署名押印などが記載されることがあります。

土地の売却、分筆登記、地積更正登記、将来の境界トラブル予防などで重要な資料になります。

境界確認書を紛失しても境界が消えるわけではない

まず大切なのは、境界確認書をなくしたからといって、土地の境界そのものがなくなるわけではないということです。

境界確認書は、過去に境界を確認した事実を示す資料です。

書類を紛失しても、現地の境界標、法務局の地積測量図、過去の測量成果、隣地との確認経緯などが残っている場合があります。

ただし、境界確認書がないと、売却時に買主へ境界を説明しにくくなったり、分筆や地積更正の前提資料として不十分になったりすることがあります。

そのため、書類が見つからない場合は、早めに資料を探し、必要に応じて土地家屋調査士へ相談することが大切です。

まず探すべき書類

境界確認書を紛失したと思っても、別の名前で保管されていることがあります。

まずは、次のような書類を探してみましょう。

探す書類確認するポイント
境界確認書隣地所有者との境界確認が記録されている
筆界確認書筆界について確認した書類
確定測量図土地全体の境界点・面積が記載されている
地積測量図の写し分筆や地積更正時に作成された図面
売買契約書類売却・購入時に測量図が添付されていることがある
重要事項説明書境界明示や測量資料について記載があることがある
建築時の配置図境界や敷地形状の参考になることがある
古い測量成果測量事務所が作成した図面・成果簿など
隣地との覚書境界や越境に関する確認が含まれていることがある

「境界確認書」という表紙で保管されていなくても、「測量図」「土地資料」「売買資料」「登記関係書類」などのファイルに入っていることがあります。

相続した土地の場合は、親や祖父母が保管していた不動産関係の封筒、金庫、仏壇周り、司法書士・不動産会社から受け取った書類一式を確認してみましょう。

法務局で取得できる資料

境界確認書そのものは、法務局でいつでも取得できる書類とは限りません。

法務局で一般的に取得できる主な資料は、次のようなものです。

法務局で取得できる主な資料内容
登記事項証明書所有者、地目、地積、権利関係などを確認する
公図土地の位置関係や地番の並びを確認する
地積測量図分筆・地積更正などの際に作成された測量図
建物図面・各階平面図建物登記に関係する図面
地図または地図に準ずる図面土地の位置や形状を確認する資料

過去に分筆登記や地積更正登記がされていれば、法務局に地積測量図が備え付けられていることがあります。

地積測量図には、土地の形状、辺長、面積、作成年月日、作成者などが記載されています。

ただし、地積測量図があるからといって、境界確認書そのものまで取得できるとは限りません。

また、古い地積測量図では、座標がなかったり、現在の測量精度とは異なったりすることがあります。

不動産登記法について確認したい方は、e-Gov法令検索「不動産登記法」も参考になります。

過去に依頼した土地家屋調査士に確認する

過去に測量を依頼した土地家屋調査士がわかる場合は、その事務所に確認してみましょう。

測量成果や境界確認書の控えを保管している場合があります。

ただし、必ず残っているとは限りません。

次のような理由で、控えを取得できないこともあります。

  • 測量から長期間経過している
  • 事務所が廃業している
  • 旧担当者が退職している
  • 書類の保存期間を過ぎている
  • 当時の依頼者本人でないため確認が必要
  • 個人情報や関係者の確認が必要

土地家屋調査士の控えがある場合でも、そのまま「再発行」として使えるかはケースによります。

売却先、不動産会社、金融機関、登記手続きの目的によって、写しで足りる場合もあれば、改めて現地確認や隣地確認を求められることもあります。

不動産会社・司法書士・金融機関に確認する

過去に売買や相続登記、住宅ローン手続きがあった土地では、不動産会社、司法書士、金融機関などが測量図や境界資料の写しを持っていることがあります。

特に、過去に土地を購入したときの資料には、確定測量図や境界確認書の写しが含まれていることがあります。

確認先としては、次のようなところがあります。

  • 購入時の不動産会社
  • 売買契約時の仲介業者
  • 当時の司法書士
  • 住宅ローンを組んだ金融機関
  • 建築会社・ハウスメーカー
  • 相続手続きを依頼した専門家

ただし、こちらも必ず保管されているとは限りません。

保管期間や個人情報の関係で、資料を取得できないこともあります。

境界確認書がない場合に問題になりやすい場面

境界確認書がないと、すべての土地利用ができなくなるわけではありません。

しかし、次のような場面では問題になりやすいです。

場面問題になりやすい理由
土地の売却買主から境界明示や確定測量を求められることがある
分筆登記境界確認や地積測量図の作成が必要になる
地積更正登記実測面積と登記面積の整理が必要になる
相続後の土地整理共有者間で土地の範囲を確認する必要がある
境界標がない現地で境界位置を説明しにくい
隣地との関係が悪い過去の確認資料がないと話が進みにくい
越境物がある塀・樹木・雨樋などの位置確認が必要になる
古い住宅地過去の測量資料と現況が合わないことがある

特に売却では、不動産会社や買主から「確定測量図はありますか」「境界確認書はありますか」と確認されることがあります。

書類がない場合、売買条件として測量を求められることがあります。

再測量が必要になるケース

境界確認書が見つからない場合でも、必ず再測量が必要とは限りません。

しかし、次のようなケースでは、再測量や再立会いが必要になることがあります。

再測量が必要になりやすいケース理由
境界標がなくなっている現地で境界点を確認できない
確定測量図も見つからない過去の測量成果を確認できない
地積測量図が古い現在の測量精度や現況と合わないことがある
隣地所有者が変わっている新しい所有者との確認が必要になることがある
売却で確定測量を求められた買主保護のため新たな測量が必要になることがある
分筆登記を予定している登記に使える地積測量図が必要
境界について不安がある後日のトラブルを防ぐため再確認が必要
道路や水路との境界が未確認官民境界確認が必要になることがある

たとえば、昔の境界確認書は紛失しているものの、現地に境界標があり、法務局に地積測量図もあり、隣地所有者との関係も良好な場合は、現地確認だけで済むこともあります。

一方で、境界標もなく、測量図も古く、売却先から確定測量を求められている場合は、再測量が必要になる可能性が高くなります。

「再発行」と「再作成」は違う

境界確認書について、「再発行できますか?」と聞かれることがあります。

しかし、境界確認書は公的な証明書のように、役所で簡単に再発行できる書類ではありません。

過去に作成した土地家屋調査士が控えを持っていれば、写しを確認できる場合があります。

ただし、当時の原本と同じものを新たに発行できるかどうかは別問題です。

また、隣地所有者が変わっている場合や、境界標がなくなっている場合は、過去の確認書の写しだけでは不十分なことがあります。

この場合は、改めて現地を測量し、現在の隣地所有者と境界確認を行い、新たに境界確認書を作成することがあります。

つまり、境界確認書がない場合の対応は、単なる「再発行」ではなく、状況によっては「再調査」「再測量」「再立会い」「再作成」になるということです。

売却前に確認すべきこと

土地を売却する予定がある場合は、境界確認書や確定測量図があるか早めに確認しましょう。

売買契約の直前になって書類がないことが判明すると、引渡しまでに測量が間に合わないことがあります。

売却前に確認すべきポイントは次のとおりです。

【売却前の確認の流れ】

手元の不動産資料を確認する

境界確認書・確定測量図の有無を確認する

法務局で地積測量図を取得する

現地の境界標を確認する

隣地との境界に不安がないか確認する

不動産会社に必要な測量範囲を確認する

土地家屋調査士に相談する

必要に応じて再測量・再立会いを検討する

境界確認書がなくても売却できる場合はあります。

ただし、買主や不動産会社が確定測量を求める場合は、測量に数週間から数か月かかることもあります。

早めに動くことが大切です。

土地家屋調査士に相談すべきケース

次のような場合は、土地家屋調査士に相談するのがおすすめです。

  • 境界確認書を紛失した
  • 確定測量図が見つからない
  • 法務局の地積測量図だけで足りるかわからない
  • 売却前に境界資料を整理したい
  • 境界標が見当たらない
  • 隣地所有者が変わっている
  • 分筆登記を予定している
  • 地積更正登記をしたい
  • 過去の測量図が古くて信用できるかわからない
  • 隣地との境界に不安がある

土地家屋調査士は、土地の測量、境界確認、分筆登記、地積更正登記などを扱う専門家です。

手元に境界確認書がない場合でも、法務局資料、現地状況、過去の地積測量図、境界標の有無などを確認し、再測量が必要かどうかを判断できます。

土地家屋調査士の業務について確認したい方は、e-Gov法令検索「土地家屋調査士法」も参考になります。

よくある質問

Q. 境界確認書を紛失したら、法務局で再発行できますか?

境界確認書そのものを法務局で必ず再発行できるわけではありません。

法務局では、登記事項証明書、公図、地積測量図などを取得できる場合があります。

まずは地積測量図の有無を確認しましょう。

Q. 境界確認書がなくても土地は売れますか?

売却できる場合はあります。

ただし、買主や不動産会社から確定測量や境界確認書を求められることがあります。

書類がない場合は、売却前に土地家屋調査士へ相談しましょう。

Q. 過去に測量した土地家屋調査士に頼めば再発行できますか?

控えが残っていれば、写しを確認できる場合があります。

ただし、必ず再発行できるとは限りません。

隣地所有者が変わっている場合や、現地状況が変わっている場合は、再測量や再立会いが必要になることがあります。

Q. 地積測量図があれば境界確認書はいりませんか?

目的によります。

地積測量図があっても、売却や境界説明のために境界確認書が必要とされることがあります。

分筆や地積更正では、現在の境界状況を確認する必要がある場合もあります。

Q. 境界標が残っていれば再測量は不要ですか?

必ず不要とは限りません。

境界標が残っていても、過去の測量図と現地が一致しているか、隣地所有者との確認が必要か、売却や登記の目的に足りるかを確認する必要があります。

まとめ|境界確認書を紛失したら、まず資料確認と現地確認をしよう

境界確認書を紛失しても、すぐに土地の境界がわからなくなるわけではありません。

ただし、売却、分筆、地積更正、相続後の土地整理では、境界確認書や確定測量図が重要になることがあります。

重要なポイントは次のとおりです。

  • 境界確認書を紛失しても境界そのものが消えるわけではない
  • 法務局で境界確認書そのものを必ず取得できるとは限らない
  • 法務局では地積測量図や公図を取得できる場合がある
  • 過去に依頼した土地家屋調査士に控えを確認できることがある
  • 不動産会社、司法書士、金融機関に測量資料が残っていることもある
  • 境界標や確定測量図が残っていれば再測量が不要な場合もある
  • 境界標がない、資料が古い、売却で確定測量を求められた場合は再測量が必要になることがある
  • 「再発行」と「再作成」は違う
  • 売却前には早めに境界資料の有無を確認する
  • 判断に迷う場合は土地家屋調査士に相談する

「境界確認書をなくした」
「確定測量図が見つからない」
「法務局で何を取ればよいかわからない」
「土地を売る前に境界資料を整理したい」

このような場合は、まず手元の資料と法務局資料を確認し、必要に応じて土地家屋調査士へ相談しましょう。

監修者情報

監修:北川 巧(土地家屋調査士)

独立2年目ながらも持ち前の若さと体力を活かして、顧客への迅速で新設な対応で、日々業務に取り組んでいます。不動産の表示に関する登記や土地家屋調査士の業務について一般の方目線で分かりやすくアドバイス、解説します。

監修者情報

監修:北川 巧

(土地家屋調査士)

独立2年目ながらも持ち前の若さと体力を活かして、顧客への迅速で新設な対応で、日々業務に取り組んでいます。不動産の表示に関する登記や土地家屋調査士の業務について一般の方目線で分かりやすくアドバイス、解説します。

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